【SEO直帰率対策】業界別・流入元別・ブログサイト平均と改善方法

【SEO直帰率対策】業界別・流入元別・ブログサイト平均と改善方法

コンテンツを作ったはいいけれど、直帰率が高すぎる。

なぜこんなに高いのか?

どうやったら下げることができるのか?

こんな悩みを持つ方が直帰率について理解する記事

ランクブレインについては「ランクブレインが検索意図を決めるまで【SEO人工知能徹底解説】」にも詳しく解説しています。

直帰率とは何か?

直帰率とは、ウェブサイトにアクセスして、最初のページで

  • 検索結果に戻った
  • ブラウザーを閉じた
  • アドレスバーに新しいURLを入力した
  • 外部リンクをクリックした
  • 何もしなくてタイムアウトした

した人の割合

よく「離脱率」と混同されますが、直帰率と離脱率は明確に違います。

【直帰率と離脱率の違い】直帰率はあるサイトにアクセスして、最初のページで戻るボタンを押した人の割合。離脱率はそのページのあるリンクをクリックして、次のページ以降でブラウザの閉じるボタンを押して去った人の割合。
【直帰率と離脱率の違い】
直帰率はあるサイトにアクセスして、最初のページで去った人の割合。
離脱率はそのページのあるリンクをクリックして、次のページ以降で去った人の割合。
セッションは流入から直帰・離脱までのこと。

Googleでは直帰率について次のように言っています。

直帰とは、サイト内の 1 ページしか閲覧されなかったセッションのことです。

セッションとは上記の図で言えば、流入から直帰・離脱までのことです。

平均直帰率はどれくらい?

直帰率は最初にアクセスしたページで「何もしない」で去った人の割合なので、直帰率が高いとそのページはあまり興味を持たれていないことが暗に伺えますが、一概にそうとは言えません。

なぜなら、平均直帰率はサイトの種類によって大きく変わります。

ペンシルベニア州のマーケッティング企業「Custom Media Labs」は下記のようにウェブサイトのタイプによって平均直帰率が異なる(英語)ことを発見しました。

【ウェブサイトの種類による平均直帰率の違い】eコーマスサイト(アマゾン、楽天等)は20〜45%。B2B(企業対企業)のサイトは25〜55%。商品紹介などのページ(リードジェネレーション)では30〜55%。非eコーマスサイト(病院・フィットネスなどの販売目的以外)は35〜60%。ランディングページ(購入・登録フォームがあるようなページ)は60〜90%。ブログ・オンライン辞書・ポータルなどのサイトは65〜90%。
【ウェブサイトの種類による平均直帰率の違い】
ブログサイトや登録・購入フォームのあるページ(ランディングページ)は、他の種類のサイトと比べて平均直帰率が高い。

このグラフから考察として言えるのは、

  • eコマースサイトは直帰率が低い。すでにユーザーの購買ニーズが満たされており、買うか買わないかを比較しながら迷っている状態なため低くなる。
  • B2B(企業対企業)サイトは直帰率が低い。セールスマンの営業活動によるニーズの喚起がすでにされているため。
  • リードジェネレーションサイトは直帰率が低い。予め展示会やセミナーなどによる商品やサービスの紹介活動を行っており、ページそのものが信用されやすい。
  • 非eコマースサイトは直帰率が低い。例えば病院や歯医者など販売目的以外のコンテンツが多く、情報収集的な要素が強いため。
  • ランディングページでは直帰率が高くなる。名前やメールアドレスなどのプライベート情報を入力するフォームが設置されており、退避心理が働く。
  • オンライン辞書サイトは直帰率が高い。ユーザーの検索意図に合致しやすく、すぐにニーズが満たされる(意味がわかればOK)。
  • ブログは直帰率が高い。文字数が多くなる傾向にある。個人運営されるため初心者が多い。資金面やスキル面からサイトのデザインや使いやすさにばらつきがあり、有用な記事を書いたとしても信頼されにくい。

なぜブログサイトの直帰率は高いのか?

有名ブロガーやインフルエンサーの書く記事は素晴らしいものです。デザインも洗練されており、細部まで考えこまれた非常にレベルの高いコンテンツです。彼らは権威性をまとうため、自分の収入を公開します。

ブログの初心者の方は、自分もそんな風になりたいと思い、彼らの情報商材やテンプレートを購入します。

テンプレート購入=その通りにやってみる=検索意図が掴めない=直帰率が高くなる。

個人運営が主体のブログでは資金力などの理由から、スキル・知識にばらつきがあり、ユーザーの「信頼」という観点から検索意図にマッチしづらく、直帰率が上がりやすくなります。

これは致し方ないです。ブログとはそもそもそんなメディアです。ただし、闇雲に書くのではなくGoogleのいう「科学的な根拠」も織り交ぜて書くと良いですね。「稼いだ収入額は科学的な根拠ではない」ですよ。

ブログの平均直帰率は、よく読まれている記事を基準にして、同じような内容と比較してみるのが一番です。

産業別平均直帰率の違い

平均直帰率は、産業によっても異なります。

テキサス州のオンライン講座企業「ConversionXL」は下記のように産業によって平均直帰率が異なる(英語)ことを発表しました。

【産業別平均直帰率の違い】飲食系「65.62%」、サイエンス系(ITなど)「62.24%」、ペット・動物系「58.04%」、ニュース系「57.93%」、アート・エンタメ系「56.52%」、本・文献系「56.04%」、美容・フィットネス系「55.86%」、ホーム・ガーデン系「55.73%」、法律・政府系「55.06%」、コンピュータ・電子系「54.54%」、趣味・レジャー系「54.04%」、インターネット・通信系「53.59%」、バイク・クルマ系「51.96%」、金融系「51.71%」、スポーツ系「51.12%」、旅行系「50.65%」、ビジネス系「50.59%」、就職・教育系「49.34%」、オンラインコミュニティ「46.98%」、ゲーム系「46.70%」、ショッピング系「45.68%」、不動産系「44.50%」
【産業別平均直帰率の違い】
直帰率の高い業界と低い業界では、20%以上の開きがある

このグラフからの考察は、

  • 直帰率が最も高いのは飲食業界。例えばレストランのウェブサイトでは、メニューや、場所、営業時間、連絡先などのシンプルな情報しか掲載されていない場合が多く、それでことが足りる場合がほとんどです。そのため必要な情報さえわかればすぐに直帰します。
  • 直帰率が最も低いのは不動産業界。その内容から、高価でかつ慎重に決める商品を掲載しており、コンテンツのそれぞれの項目をじっくり比較します。そのため直帰率が低くなります。
  • 直帰率が高くなる傾向
    • ユーザーの検索意図が狭くシンプルで、かつ簡単に解決しやすいコンテンツ
      (飲食系、ホーム・ガーデン系、ペット・動物系)
    • 検索意図が広く、ニーズを達成するためには幅広い情報を必要とするような、解決しにくいコンテンツ
      (サイエンス系、アート・エンタメ系、美容・フィットネス系)
    は直帰率が高くなる。
  • 直帰率が低くなる傾向
    • 人々の人生に深く関わり、経済的に負担を要するコンテンツ
      (就職・教育、ショッピング、不動産)
    • 人々同士が直接繋がるようなコンテンツ(オンラインコミュニティ、ゲーム系)
    は直帰率が低くなる。

こんな感じでしょうか。

サイト運営の際に自サイトがどの業界に入るのかが分かれば、それだけで参考となるような資料ですので、ぜひ活用してください。

流入元による平均直帰率の違い

業界全体の平均直帰率データだけでは、実用的にはまだ不十分です。例えば、広告キャンペーンや新商品の紹介などを行う時の投資収益率(ROI)「少ない費用で大きなリターン」を分析する場合などです。

こちらも同じく「Custom Media Labs」のデータですが、流入元よって平均直帰率が異なる(英語)ことがわかりました。

【流入元による平均直帰率の違い】ディスプレイ広告から「56.5%」、ソーシャルメディアから「56.5%」、直接流入「56.5%」、有料検索(Google広告)「44.1%」、オーガニック検索(SEO)「43.6%」、リンクからの参照「37.5%」、メールから「35.2%」
【流入元による平均直帰率の違い】
ディスプレイ広告からの流入が最も直帰率が高く、
メールからの流入が最も低い

このグラフからの考察は、

  • ディスプレイ広告からの直帰率が最も高い。この理由は1つ、バナー広告が最も信頼性が低いということですが、ブログサイトの平均直帰率よりも上なので効果はありますね。
  • ソーシャルメディアからの直帰率は高い。例えば、投稿フィードと一緒にサイトが共有されている場合、「ちょっとした興味で覗く」ことが多いからです。サイトに流入してもすぐにSNSに戻ってしまう傾向があります。そのため、到達したサイトに必ずしも興味があるわけではないのです。
  • 検索結果からの直帰率は有料・無料ともに大差なし。これはSEOに費用を投じることと、有料広告に掲載することは、どちらが経済的なのかを見極めるデータとしては興味深いと言えます。ならばキーワードの競合調査が重要ですね。
  • メールからの直帰率は低い。その理由は、すでにニーズが喚起されており、そのサイトを見る準備ができているからです。メールやニュースレターを受け取った人はコンバージョンが達成しやすいと言えますね。
  • リンクからの直帰率は低い 。リンクを辿っての来訪も同様に、そのサイトに興味を示しているからです。言い換えればウェブサイトの導線が重要と言えますね。

こんな感じでしょうか。

上記のデータや統計を見てみれば、直帰率自体そもそも正確に計測する必要のないことは、想像に難しくありません。

事実、Googleもアナリティクスに表示されている直帰率をはじめとする各種情報は、直接ランキングには関係しない(英語)と言っています。

しかしこれにはウラがあります。「人工知能ランクブレイン」が絡むのです。

直帰率が重要な理由【人工知能ランクブレインの話】

ランクブレインが公開されたのは2015年10月、すでに8年が経過していますが、この間常にアップデートされ、当時とは性能がまるで異なります。

Googleはランクブレインを開発するにあたって、検索順位の決定要素を1つ1つの検索ワード毎に異なるようにしました。そしてそのキーワード毎の直帰率を検索意図のマッチング精度向上のために使っているのです。

実際には、直帰率のみではなく、クリック率、滞在時間そしてポゴスティキングの4つを合わせて「ユーザー体験信号(UXシグナル)」として使用しています。

関連記事【図解】SEOクリック率【感情サークルとパワーワード331選】

関連記事【SEO滞在時間】ドウェルタイムの改善はページの最初で心理を掴め

Googleは、これらのシグナルをランキング決定要素の「3番目に重要である」としています。ちなみに1番目と2番目はそれぞれ「リンク」と「コンテンツ」です。

【ランクブレインの仕組み】ユーザーが検索窓にキーワードを入力→ランキング決定要素に基づきキーワードを検索意図に変換→検索意図に対する結果をセットで表示→ユーザーが結果をクリック→各種UX信号を測定(直帰率が使われる)・記録→ユーザーがそのページに満足したかどうかを判定→もし「はい」ならランキング決定要素を更新してページがランクアップ。もし「いいえ」ならポゴスティックによりユーザーが結果をクリックするまで戻る。
【ランクブレインの仕組み】「各種UX信号を測定・記録する」の工程で直帰率が使われる

ここで注意して欲しいことは、

アナリティクスで見ることができる直帰率は、ページやサイト単位の直帰率であり、キーワード単位の直帰率ではありません。

それに、直帰率はページに滞在した時間が長いとカウントされないと考える方がいますが、これは間違いです。2秒であれ、2時間であれ、検索結果に戻ったらそれは全て直帰です。

直帰率という数字が低ければランクが上がるというように単純に考えないことです。

あくまで「ユーザーがそのコンテンツが理解しやすいかどうか」を示すシグナルの一部であり、重要なのは「ユーザーの満足度」そのものです。

ランクブレインについての詳しくは、ランクブレインが検索意図を決めるまで【SEO人工知能徹底解説】をご覧ください。

直帰率を下げるコンテンツの作成方法

ここからは、直帰率を下げる具体的な方法について解説です。

アメリカのSEO業界の猛者たちも、同じような手法で実践しています。

  1. Youtube動画を埋め込む
  2. ページの読み込み速度をあげる
  3. ページを非常に読みやすくする
  4. ページに内部リンクを追加する
  5. 目次をつける

それぞれ解説していきます。

Youtube動画を埋め込む

Youtube動画を埋め込む
【直帰率を下げる方法その1】Youtube動画を埋め込む

これは何となく想像できますね。動画を埋め込むことで、訴求力が上がりページの直帰や離脱を防ぎます。また、埋め込む動画はあなたが作った動画でなくても構いません。

そのページにとって意味のある動画を埋め込むことが重要ですね。

ページの読み込み速度をあげる

Googleのベンチマークテストの分析では、ページの読み込み速度が遅いと直帰率が高くなることがわかりました。

ページの読み込み速度をあげる
【直帰率を下げる方法その2】ページの読み込み速度をあげる

ページの読み込み速度を計測する定番ツールは「Page Speed Insight」こちらのサイトにあなたのドメインを入力して分析します。「目安としてはモバイル・パソコン共に80点以上」を目指しましょう。

それ以外にもGoogleの「Test My Site」もあります。「目安としては「平均」」がでればとりあえずはOKです。

ページのスピードは次を実施するだけでずいぶん上がります。

  • 画像の圧縮
  • CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を使用する
  • 使っていないプラグインを削除する

ページを非常に読みやすくする

読みにくい=読まれません

そう言われても、個人差もありますよね。特にブログサイトでは、文字数が多くなり、第一印象でたちまち直帰されてしまうこともあります。

これには「正解」と言われるものはありませんが、平均的には次のようにページを作っていくと、読みやすくなります。

ページを読みやすくする
【直帰率を下げる方法その3】ページを読みやすくする
  • キャッチ画像をつける
  • 段落のあとに余白をつける(margin-bottom: 2.0〜2.5rem)
    ここで「rem」という単位ですが、bootstrapでもこの単位が標準となっています。画面のサイズに基づく単位で、レスポンシブデザインなサイトではこの単位を使った方が楽です。
  • 行間(行高)は1.5〜1.8(line-height: 1.6)
  • フォントの大きさは15-17px(font-size: 16px)
  • ページを見出しで区切る
ページに内部リンクを追加する
【直帰率を下げる方法その4】ページに内部リンクを追加する

実際、内部リンクは直帰率の低下に役立ちます。内部リンクがクリックされることで、直帰率としてカウントされなくなるからです。

また、内部リンクはSEOにもかなり効果的です。ページビューも上がります。

トピックが大きな記事で、検索意図が絞れないときは、冒頭に細かい内部リンクを貼ることで、直帰率の低下を促すこともできますね。

目次をつける

目次をつける
【直帰率を下げる方法その5】目次をつける

ページの冒頭に目次をつけると、その記事の全体像が把握できます。そのため、検索意図を突いた目次の項目があれば、直帰を防げる可能性が上がります。

ただ、逆に目次の項目が多いと、それだけで読むのが嫌になり、直帰されることもあり得ます。

また、目次をつけるときは「1−1、1−2・・・」のように項目番号をふる場合と、単純な箇条書きの場合があります。これは個人的な好き嫌いもあるとは思いますが、「目次に数字が多いと読む気が下がる」気がします。

読者の心を掴む大事な部分だからこそ、色んな工夫が必要ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最後にこの記事のまとめとして、

  • 直帰率はサイトの種類や産業、そして流入元によって違うため、そのサイトにあった対策をする必要がある
  • ランクブレインの性能が上がり、直帰率はユーザー満足度のシグナルとして使われている
  • 改善方法はより一層ユーザー視点に立たなければ効果はない。

ということです。

直帰率とページ滞在時間は相関関係(シーソー関係)にあります。直帰率が低ければ、滞在時間は長いことが言えます。

こちらの「【SEO滞在時間】ドウェルタイムの改善はページの最初で心理を掴め」の記事もぜひ目を通してみてください。

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