【図解】SEOクリック率【感情サークルとパワーワード331選】

【図解】SEOクリック率【感情サークルとパワーワード331選】

クリック率とは何か?

クリック率、英語では「CTR=クリックスルーレート(Click Trough Rate)」と呼ばれます。

有料検索(Google広告・ウェブ広告・バナー広告)であれ、
無料検索(SEO)であれ、
コンテンツの中(記事内クリック率)であれ、

クリック率は売上に直結します。決してスルーできません。

クリック率の計算方法

まずはクリック率の計算です。

たとえば、毎日10人が検索するキーワードであなたのサイトが第4位にランク付けしたとします。
そして3人がその結果をクリックしました。
そのキーワードの平均クリック率は30%になります。

【クリック率(CTR: クリックスルーレート)の計算方法】例えば月に10回検索結果に表示されたうち、3回クリックされたら、クリック率は30%
【クリック率(CTR: クリックスルーレート)の計算方法】
例えば月に10回検索結果に表示されたうち、3回クリックされたら、クリック率は30%

また、業界よって平均クリック率が違ってきます。

業界別平均クリック率

下記のグラフはマサチューセッツ州のオンライン広告企業「WordStream: ワードストリーム」が集計した業界別の平均クリック率のグラフです。

【業界別平均クリック率の違い】デート・出会い系「6.05%」、、支援団体系「4.41%」、車・バイク系「4.00%」、教育系「3.78%」、不動産系「3.71%」、医療系「3.27%」、法律系「2.93%」、金融系「2.91%」、eコマース系「2.69%」、産業系「2.61%」、ホーム系「2.44%」、就職系「2.42%」、B2B系「2.41%」、B2C系「2.41%」、テック系「2.09%」
【業界別平均クリック率の違い】
クリック率が低い業界であるほど、クリックを獲得するのが難しく、検索意図が掴みにくい。

業界別平均クリック率から見えること

平均クリック率でいろんなことが見えてきます。

例えば、クリック率が低い業界であるほど、検索意図が広く、クリックを獲得するのが難しくなります。

テック系業界などはその典型です。

この業界はそもそも意味不明な言葉が多く、一般の方と比べて知識やスキルに大きな差があります。書き手はわかってるつもりなのでしょうが、検索者からすれば、

「調べたいことはそれじゃないんだよね。。」こんな状態におちいりやすいんですね。

一方、クリック率の高い業界は、ユーザーが探したいことを簡単に検索ワードに表現できる業界と言えます。言い換えれば、ユーザーの検索意図にマッチしやすいことです。

デート・出会い系の業界では写真1枚でクリック率を上げることができます。

例えば「タイプの女子の写真が出てきた」時などですね。カーソルが吸い込まれていくのが目に浮かびます。

旅行系もしかりです。

目を見張るような景色の写真や、有名な地名のレビューなどです。

クリック率が高くなるのは、「検索意図が狭く」「興味を駆り立てる」ようなコンテンツで、写真などでビジュアルが伝わりやすい業界といえますね。

クリック率は、年齢、性別、場所、時間など、様々な要因の影響を受けますので、高い低いを一概には言えませんが、傾向はわかりますね。

【平均クリック率の傾向】写真やイメージなどのビジュアルにて表現がしやすいコンテンツほどクリック率が高くなり、検索意図が広く複雑なコンテンツほどクリック率は低くなる。
【平均クリック率の傾向】写真やイメージなどのビジュアルにて表現がしやすいコンテンツほどクリック率が高くなり、検索意図が広く複雑なコンテンツほどクリック率は低くなる。

【実証済】クリック率が重要なワケ|クリック率を上げる=ページランクが上がる話

まず、クリック率が高いほど、多くの人がページにやってきます。

たとえば、クリック率が10%から20%に上がると、やってくる人は2倍になります。

「それでランキングは上がるのか?」

「はい、上がります。」

「本当か?じゃあどれくらい?」

こちらは、ボストン「WordStream」の創立者「ラリー・キム」が自社サイトでクリック率とランキングの関係を調べた時のグラフです。

【クリック率とページランクの関係】ページランクとクリック率を比較した2次曲線的グラフ。「1.単語3つ以上のロングテールなワードで検索した場合」と「2.単語2つ以下のビッグワードで検索した場合」の2つの曲線を示した。
【平均クリック率とページランクの関係】単語3つ以上のロングテールワードで検索した場合は、ページランクが5位以上の場合クリック率に大きな差でてくる。

考察として言えるのは、

  • 検索意図が狭くなるようなニッチなワード(3単語以上のロングテールワード)では、クリック率が3%上がると順位が1位上がる。
  • クリック率による順位の変動は上位(1〜3位)であるほど高い。

クリック率とランクブレイン

以上のことは、ランクブレインという人工知能が検索者が本当に知りたいことを理解するために働いた結果と言えます。

ランクブレインについての詳しくは、ランクブレインが検索意図を決めるまで【SEO人工知能徹底解説】をご覧ください。

ランクブレインが絡んでる以上、単純にクリック率という数値が上がればランクは上がるとは言えませんが、検索ワード毎のUX信号をリアルタイムに観察しているランクブレインの仕組みを考えれば、次のようなことが言えます。

検索結果の1ページ目では、クリック率の偏差値が高いものがランクアップする。

クリック率はランキング決定要素なのか?

この疑問はアメリカのSEO業界で大きな議論があり、賛否両論あります。

というのも、Googleは公式にそう言わないからです。

が、実際の検索結果はそのようになっています。

下記は、アメリカ検索業界のインフルエンサー「ダニー・サリバン」の2015年3月下旬のツイートです。GoogleがFTC(アメリカ連邦取引委員会)に報告した公文書のキャプチャ画像を共有しています。この文書を要約すると、

グーグルの検索品質責任者の下記の証言の通り、クリックデータは検索結果の品質を評価するために重要です。

例えば、ある検索ワードで、80%の人が2位の結果をクリックし、しばらくして10%だけが1位の結果をクリックすることがわかった場合、私たちは1位と2位をスイッチします。

セルゲイブリンとエリックシュミットは、クリックデータが多くの目的にとって重要であることを認めています。

「ウディ・マンバー」という責任者が証言していること、これは先に紹介した「クリック率の偏差値が高いものがランクアップ」するという、ランクブレインの動きそのものです。

さらにグーグルの創設者の名前が出てきますね。ダニーはこの文書をどこから持ってきたのか、かなり気になるところですが、でもこの時ダニーは知らなかったはずです。

実は2015年3月とは、ランクブレインが完成した月。公開されたのはその年の10月。つまり上記の文書はランクブレインのことを言及した文書の一部である可能性が高い。

関連記事ランクブレインが検索意図を決めるまで【SEO人工知能徹底解説】

これはもう、クリック率はGoogleが認めた「ランキング決定要素」と言わざるを得ません。

クリック率の上げ方マニュアル

クリック率がどれだけ重要かを把握したら、ここからは、クリック率を上げるための具体的な方法です。

尚、ここでは無料検索(オーガニック検索)によるクリック率の改善にフォーカスしています。広告のクリック率についてもある程度は関連するものもありますが、目的は無料検索(つまりSEO)です。

検索結果を見てから改善する

グーグルの検索結果はキーワードによって大きく変わります。

広告、画像、動画、地図、ウィキペディア、よくある質問など、画面には情報が満載です。

検索ワードによっては大きくスクロールしなければ、順位1位までは辿りつけないものも山ほどあります。

そのため、これ以降の改善方法をただ闇雲に行うのではなく、まずは狙ったキーワードを検索してみて、検索結果がどのようになっているのかを観察することが大切です。

URLをわかりやすくする

2019年9月あたりからGoogle検索結果において「URL」の表記が変更されました。URLをシンプルかつわかりやすくすることで、ユーザーのクリックを促せます。

SEOにおけるURLの対策についてはSEO対策によく効くフレンドリーなURLをご覧ください。

URLの設定

SEO対策によく効くフレンドリーなURL

SEOによく効くURL。効果的かつ具体的な文字数、単語数、階層数やキーワードの含め方、Googleが検索結果のURLを変更した理由、URLは間接的にランキングに影響する件などSEOフレンドリーなURLについての網羅的解説。

タイトルを改善する

検索するときに、一番最初に目に付く部分が「タイトル」です。ならば、これを他の検索結果と比べて目立つようにします。

タイトルタグに使用できる文字数は約30文字程度。クリック率を上げるには、この30文字の中に検索者を引き寄せる文を書かなければなりません。そのためには、

括弧を使う

マサチューセッツ州のマーケッティング企業「HubSpot:ハブスポット」のデータによると、なんとタイトルを括弧で囲むだけで40%クリック率が上がることがわかりました。

【括弧ありとなしの場合のクリック率の差】タイトルを囲むだけで40%クリック率が上がる
【括弧ありとなしの場合のクリック率の差】タイトルを囲むだけで40%クリック率が上がる

この記事の著者の話では、検索者はすでに何を探したいのかを知っているため、括弧による視覚的な表現によって、クリックする可能性がとても高くなる、とのこと。

こんなに簡単にできるのであれば、使わない手はありません。

数字を含める

数字には間違いなく強烈な説得力があります。それは検索結果でも同じことです。タイトルには可能な限り数字を含めることをおすすめします。

  • 7日間でページビューが4倍
  • クリック率を40%上げる
  • 30記事で12万回のアクセス数
  • スピードスコアで100点をとる
  • 滞在時間を上げる具体的な方法10選

ブランド名を含める

ユーザーは、よく知られ、信頼できるブランド名をクリックする傾向があります。

もしその業界であなたのブランドが有名であるなら、タイトルにはブランド名を加えましょう。

価格を含める

eコマースサイトの場合「価格」は価値のある情報です。価格で他社と競合している場合など、思い切ってタイトルに価格を含めるのもクリック率が上がる1つの方法です。

年度を含める

シーズンによって内容が変わるようなコンテンツには、タイトルにその年の年度を含めるとクリック率が上がりやすくなります。

  • 【2024年】キーワードプランナーの登録方法
  • 【8ステップ】サイトのアクセスを上げる方法【最新2024年度版】

感情的になる

下記の図はアメリカの心理学者「ロバート・プルチック」が提唱した人間の感情を表した「プルチックの感情円」と呼ばれる図です。

【プルチックの感情円】
【プルチックの感情円】

この円は「喜び」、「信頼」、「恐れ」、「驚き」、「悲しみ」、「嫌悪」、「怒り」、「期待」の8つのカテゴリーに分かれ、

それぞれの感情は相反する感情があることを表しています。つまり、

  • 「喜び」は「悲しみ」の裏返し。
  • 「恐れ」は「怒り」の裏返し。
  • 「期待」は「驚き」の裏返し。
  • 「嫌悪」は「信頼」の裏返し。

また、色のない(黒い部分)感情は、隣り合う2つの感情が重なった状態を表します。

たとえば、「期待」と「喜び」が重なって「楽観」となり、「喜び」と「信頼」が合わされば、それは「」になります。

円の外側から中心に向かうほど、その感情はより強くなり、たとえば、「苛立ち」の最も強い感情は「激怒」になります。

この感情円を参考に、次表の「クリック率が上がるパワーワード一覧」の単語を含めて、タイトルを組み立てていきます。

【クリック率を上げるためのパワーワード一覧】
【クリック率を上げるためのパワーワード一覧】
感情ワード例 タイトル例
「実験」 実験はウソをつかない。7日間でページビューが4倍になる方法
「笑いがとまらん」 笑いがとまらん。クリック率を40%上げる方法
「東大生」 東大生もしている即効なキーワード選定法10選
「生き残る」「ステップバイステップ」 あなたは生き残れるか?AI時代に必要なSEO手法をステップバイステップで解説
「マジック」「光」「感動」 これぞマジック。光よりも速くページを読み込ませる方法【感動の100点ゲット】

この一覧は縦の列は単語は重複していませんが、横は重複しています。単語によっては、感情円の複数のカテゴリーに重なるものもあります。

どんな単語を使うのかは書き手の自由です。コンテンツの内容までを考慮して、狙ったユーザーの感情を先読みできれば、素晴らしい記事が書けそうです。

また、パワーワードはタイトル以外にも、次のようなところで使えます。

  • メタデスクリプション
  • 見出し
  • ランディングページ
  • ボタン
  • お客様の声
  • ページ内リンク

メタデスクリプションを改善する

メタディスクリプションはSEO的にあまり重要でないことは、聞いたことがあるかもしれません。

ですが、このクリック率の改善については十分に役割を果たします。タイトルの文字数より多くの文字を使えますので、ディスクリプションでそれを補足します。

基本的な方法は、タイトルと同じです。タイトルに入れることができない表現があれば、パワーワードを使ってディスクリプションに入れます。

まとめ

パワーワード一覧とタイトル例は今後も更新していきます。

検索ランクで高いポジションを持っているなら、それは素晴らしいことだと思います。ですが、ランキングが高くても、サイトへのアクセスが保証されるわけではありません。

本当に重要なのは、結果をクリックしているユーザーの数です。

2009年、当時のGoogleウェブスパムチームのトップであるマットカッツ(現在は検索チームのトップ)は、クリック率を最大化することの重要性について質問されました。以下は、すべてを語る重要な引用です。

「実際に表示される頻度は重要ではありません。クリックされる頻度は重要です。次に、…それらを本当に望むもの(販売、購入、サブスクリプション)に変換するかどうかが重要です。 、URL、およびGoogleが生成するスニペットを使用して、ユーザーがクリックする可能性が高いため、それを改善してユーザーにとってより良い方法を見つけることができるかどうかを確認します。あなたの投資で。」

It doesn't really matter how often you show up. It matters how often you get clicked on and then how often you … convert those to whatever you really want (sales, purchases, subscriptions)… Do spend some time looking at your title, your URL, and your snippet that Google generates, and see if you can find ways to improve that and make it better for users because then they're more likely to click. You'll get more visitors, you'll get better return on your investment.
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